泌尿器科
診療科の特徴
泌尿器科は前立腺を中心とした精路や腎・尿管・膀胱等の尿路疾患を扱う科です。毎日午前の外来では、PSA高値からの前立腺検査(直腸診・エコー・MRI)や血尿の精査(尿細胞診・エコー・CT・膀胱鏡等)、尿路感染症の治療等を行っています。上部尿路結石治療は結石破砕装置の老朽化から平成28年9月をもって終了しました。尿路結石の診断・外来治療、手術適応の判断と治療施設へのご紹介や、下部尿路結石症(膀胱結石)の内視鏡治療は対応可能です。
2025年7月から、経尿道手術(膀胱結石、前立腺肥大症および膀胱腫瘍)・小手術(陰のう水腫、包茎)が可能になりました。
前立腺肥大症:主にレーザー手術/HoLEPを行います。
前立腺肥大症とは?
前立腺肥大症は、肥大した前立腺が尿道を圧迫することにより、頻尿や残尿など、尿にかかわるさまざまな症状を引き起こす男性特有の病気です。
前立腺肥大は、60歳までの男性では、約50%*1、60歳以上で約70%*2、85歳まででは約90%*1にみられるといわれています。
前立腺肥大を発症する明らかな危険因子は加齢ですが、他にも遺伝的要因、肥満、高血圧、高血糖、脂質異常などが考えられています。喫煙、飲酒、性生活や性感染症との関係は明らかになっていません。
肥大した前立腺が尿道を圧迫することにより、頻尿や残尿、尿閉といった尿にかかわる様々な症状を引き起こす男性特有の病気です。

治療の選択肢について
前立腺肥大症の治療法には、「経過観察」「行動療法」「薬物療法」、「手術療法」があります。
一般的には症状が進行するにつれて、薬による治療から手術による治療を検討します。

経尿道的レーザー前立腺核出術(HoLEP)
尿道から内視鏡を挿入して、レーザーを用いて前立腺の一部をくり抜く手術です。くり抜いた前立腺は専用の装置で吸引して体外に排出します。

経尿道的ホルミウムレーザー前立腺核出術(HoLEP)
内視鏡の先端からホルミウムレーザーを照射し、肥大した前立腺を被膜から剥離して核出(くり抜くように摘除)する手術です。ホルミウムレーザーは、そのレーザー特性から衝撃波を発生させることで前立腺組織の剥離が可能です。
くり抜いた前立腺はモーセレーターという機器で粉砕した後、吸引して体外に排出します。残存する前立腺組織が少なく、再発の可能性が少ないとされています。
TURPと比較すると、治療効果は同等である一方で、出血は少なく、入院期間と関係する尿道カテーテルの留置期間も短いとされています。
但し、術後の尿閉や尿失禁などの合併症はTURPと同等の頻度で発生するとされています。その他に電気メスを使用して前立腺を核出する方法として、経尿道的前立腺核出術(TUEB)があります。

前立腺の大きさにもよりますが、ややTURPより長く、1時間から2時間程度。麻酔は下半身麻酔または全身麻酔となります。
4~7日程度(患者さんの状態は医療機関によって異なります)
経尿道的結石砕石術(TUL)


主な対象疾患
- 前立腺肥大症(直腸診・エコー・尿流量測定など)
- 前立腺がん(PSA検査・直腸診・MRIなど)
- 血尿の精査(尿細胞診・エコー・CT・膀胱鏡等)
- 尿路感染症
- 尿路結石の診断・外来治療
- 手術適応の判断と治療施設へのご紹介
- 下部尿路結石症(膀胱結石)の内視鏡治療
施設・設備紹介
- 尿道膀胱内視鏡:軟性鏡
- 超音波検査機器
- 砕石位可能なX線撮影透視装置
- 経尿道的切除用内視鏡一式(生理食塩水使用)
- ホルミウム レーザーシステム:ルミナス Pulse 120H
- X線撮影透視装置

ルミナス P120H