受診される方へ

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糖尿病教育入院

糖尿病の治療目標達成するためには正しい知識を身につけることが重要です。

当院では、糖尿病専門医及び糖尿病教育の専門研修(日本糖尿病療養指導士)を受けた看護師、管理栄養士、薬剤師、臨床検査技師、理学療法士などのスタッフと一緒に糖尿病に関する基本的な知識を学んで頂きます。

糖尿病治療目標

  1. 血糖、体重、血圧、血清脂質の良好なコントロール
  2. 糖尿病細小血管合併症(網膜症、腎症、神経障害)および 
    動脈硬化疾患(虚血性心疾患、脳血管疾患、閉塞性動脈硬化症)の発症、進展の阻止
  3. 健康人と変わらない日常生活の質(QOL)の維持
    健康人と変わらない寿命の確保

糖尿病教育入院コース

※教育入院は一度、内科外来を受診して頂いてからとなります。

種類・期間対象参加人数
基本コース
(月曜日~次週金曜日:11日間)
・教育入院を初めて受ける方
・糖尿病についての基本を学びたい方
・食事療法・運動療法をより深く学びたい方
最大5名
短期コース
(月曜日~金曜日:5日間)
・仕事の都合等で短い期間で教育入院を希望する方最大5名

教育入院時の主な検査項目

  • 心電図
  • 心エコー
  • 腹部エコー
  • ABI
  • PWV
  • 頚動脈エコー
  • 神経伝導検査
  • 自律神経検査
  • 血液検査
  • 尿検査
  • 胸部レントゲン
  • 腹部レントゲン

※検査項目は病態によって変更しています

糖尿病教教室ご案内

曜日内容担当
第1・第3月曜日
14:00~15:00
糖尿病について医師
第1・第3火曜日
14:00~15:00
食事療法栄養士
第1・第3水曜日
14:00~14:30
運動療法理学療法士
1・第3木曜日
14:00~15:00
検査について検査技師
1・第3金曜日
14:00~15:00
薬について薬剤師
1・第3金曜日
15:00~16:00
病気の対応・フットケア看護師
第1金曜日
16:00~17:00
糖尿病と眼科疾患医師
第2・第4月曜日
14:00~15:30
カンバセーションマップ看護師

入院以外の参加は第1の週のみ開催しますので、詳しくはAブロックまでお越しください。

糖尿病について当院スタッフが分かり易く説明いたします。
当院にかかっている患者様・ご家族の方どなたでも参加できます。
参加希望の方は申込み用紙にご記入の上、Aブロック外来スタッフへお渡しください。

カンファレンス

隔週火曜日に糖尿病チームカンファレンスを行い、適宜、患者さんの症例につき診断・治療について検討を行っています。

糖尿病という病気について

  • 糖尿病の基本的な話 30分 
  • 下記の中から1つ講義 30分
  • ①神経障害・感染症
  • ②癌予防・禁煙
  • ③高血圧・脂質異常
  • ④昏睡・認知症・うつ・睡眠
  • ⑤腎症・網膜症
  • ⑥動脈硬化・心臓病
  • ⑦脳卒中・ロコモ
  • ⑧肥満症・メタボ

などを、スライドや資料を使って分かり易く解説します。質問・対話形式で授業を進めます。

食事療法について

糖尿病の治療の1つである食事療法は、どのような治療をしている人でも必ず行わなければならない基本的な治療です。

(1)集団栄養指導(場所:講義室)

糖尿病教育入院中の患者さん数名を対象に講義形式で行っています。
患者さんに正しい食事療法を継続して頂くために、基本的な食事療法の概要をイラストを中心としたパンフレットを使用し説明しています。

あなたの食生活をチェックしてみましょう!

下の項目であてはまる物に◯をつけて下さい。いくつ◯がつきましたか?

1. 糖尿病について

2. 食事管理
・適正体重・適正エネルギー量について
・適切な栄養バランスについて
・規則正しい食事、食事回数・食事時間・食事量
・嗜好品の取り扱い

(2)個人栄養相談(場所:栄養相談室・デイルーム)

患者さんとご家族の方と一緒に年齢・個々人の運動量に合わせて1日のエネルギー量の設定を行います。
そして、実施可能な食事内容を患者さんと相談しながら決めていきます。
それぞれの患者さんに、担当の管理栄養士がついて、入院・外来を通してサポートします。
必要に応じて、食品交換表の使い方、宅配食の紹介、カーボカウントを用いた食事療法の相談も行っています。

(3)退院時栄養指導

退院後の食事プランを一緒に考えます。
一人暮らしや調理が苦手な方に向けて宅配食の紹介をさせて頂いています。

運動療法について

運動療法は、食事療法、薬物療法と並んで、糖尿病治療において重要な役割のひとつです。
当院では、教育入院中に運動の習慣をつけるため、エルゴメーター(自転車)やトレッドミルなどの有酸素運動を患者様の状態に合わせ指導しています。

運動前後には、血糖値の自己測定を実施し、運動で血糖値が下がることを実感して頂いております。また、心疾患がある患者様には心電図をモニタリングし、安全かつ効果的に運動療法が実施できるように配慮しています。

※この表を基に、自覚的運動強度や脈拍数を参考に運動負荷を決定しています。

体力測定を行い、各患者さんごとに合併症を考慮した運動を担当理学療法士がサポートしています。教育入院中は毎日運動して頂きます。

血糖値自己測定

糖尿病の検査について

糖尿病は、進行しても自覚症状が乏しい病気です。
このため、検査によって病状を知り、治療を行っていく必要があります。
様々な疑問や不安など、なんでもお尋ねいただけるように心がけています。

糖尿病診断の為の主な検査

血糖検査

採血した血液の中に、糖の量がどのくらいあるかがわかります。

ヘモグロビンA1C(HbA1c)

赤血球の中に含まれるヘモグロビンに糖が結合したものです。
Hbの寿命が約120日である事から、過去1~2ヶ月間の平均的な血糖値を表します。
糖尿病のスクリーニングやコントロール指標になります。

糖尿病の薬について

薬物治療は経口血糖降下薬とインスリン注射に大別されます。
1型糖尿病ではインスリン注射が不可欠です。
2型糖尿病では食事療法・運動療法が基本となりこの二つを十分に行っても血糖コントロールが不十分な場合に経口血糖降下薬、又はインスリン注射を開始します。

糖尿病教室では経口血糖降下薬、インスリン製剤などについて説明しています。

経口血糖降下薬

経口血糖降下薬は大きく分けて7種類に分けられます。
それぞれの薬品に特徴があり、適切な服用時間(食直前、食前、食後など)、血糖降下作用も様々です。
個々の薬の特徴を理解してもらうことでより安全に、効果的に薬を内服していただけるよう努めています。

インスリン製剤

作用時間により超速効型、速効型、中間型、混合型、持効型に分けることが出来ます。
正常なインスリン分泌パターンを理 解していただいた上で、患者さん個々の病態、生活習慣にあった投与方法を一緒に考えていけるように努めています。

最後に…

薬はどれも血糖コントロールの安定性を補助するものであり糖尿病を治すものではありません。薬物治療が開始されてからも食事療法、運動療法はしっかり行ってください。

日常生活の注意点について

糖尿病と付き合いながら、日々の生活を送られるなかで様々な不安や悩みが出てくるかと思います。

糖尿病教育入院をされるみなさま

入院期間中、月~金曜日の5日間に渡って講義を受けていただいた後は知識を確認するテストや講義がお休みになる土・日には糖尿病に関するDVDもご用意しております。

また、血糖測定やインスリンに関しては各種パンフレットをご用意しております。
患者様と一対一でパンフレットを用いながら、手順をご説明し、指導にあたらせていただきます。

みなさまの不安や悩みが解消し、退院後の良好な血糖コントロールに繋げられる期間になるよう、看護師スタッフ一同でサポートにあたらせていただきます。

主治医はあなたです!を合言葉に治療が継続できるよう、退院後の生活を見据えたサポートをさせていただきます

カンバセーションマップという教材を活用し、看護師が進行役のもと糖尿病患者さま同士が糖尿病と診断されたときの気持ちや今までの体験を共有したり、今後の目標を設定するなど退院後の生活に関してもイメージできる機会を設けています。
※会話を通して学ぶ内容のため、現在は感染予防対策で中止しています。

カンバセーションマップ以外でも病棟では看護師と話す機会も多いので、ご質問や疑問などがあればお気軽に声をかけて下さい。

血糖測定の様子

カンバセーションマップ

Free Style リブレPro(フリースタイル リブレプロ)について

当院ではフリースタイル リブレプロと呼ばれる上腕部に500円玉程の大きさのセンサーを装着し、持続的にグルコース値(ブドウ糖の濃度)を測定することができる血糖測定機器を導入しています。

センサーの中心部の極細の針が、組織間質液中のグルコース値を持続的に測定することで最大14日分の測定データを保存できます。
昼夜問わず、グルコース値を把握できるため、低血糖・高血糖の有無やその時間帯も確認することができ、良好な血糖コントロール治療のために必要なツールとなっています。

※センサーを装着したままシャワーや入浴も可能です。