救命処置
BLS(Basic Life Support)について
あなたの大切な人が目の前で倒れたら助けられますか?現在、日本では心臓血管疾患が増加し続けており、年間約15万人が亡くなっていると言われています。そのため日常生活の中でも、救命処置が必要となる可能性は高まりつつあります。
救命処置には様々な種類がありますが、患者さんが急変などで心肺停止状態に陥ってしまった時、医師や医療機器が揃うまでの即時対応として行われる救命処置を特にBLS(Basic Life Support)と呼びます。
119番通報をして救急隊が駆けつけてくるまでの時間は、平均で5~6分かかります。 たとえ適切な治療により命を助けられても何らかの脳障害を残す可能性が高く、寝たきりの生活になってしまいます。そのため一般救助者のBLS技術の有無によって、患者さんの生存率には大きな差が出てきます。
また、BLSが役立つのは心臓発作に対してだけではありません。水難事故などによる心肺停止に対しても、BLSは高い救命効果を発揮します。
BLSは知識として知っていても実際にやってみると難しいものです。最近では一般市民を対象としたBSL講習会が各地で開催されております。ご家族の方、お友達同士、ご近所の方と参加してあなたの大切な人を助けましょう。
ACLS(Advanced Cardiovascular Life Support)について
BLSはBasic Life Supportの略で、一次救命処置と訳されるのに対して、ACLSはAdvanced Cardiovascular Life Supportの略で、二次救命処置と訳されます。
BLSは人工呼吸、心臓マッサージによる心肺蘇生からはじまり、近年は除細動も含まれています。ACLSは気管挿管、薬剤投与といった高度な心肺蘇生を示しますが、近年では心停止時だけでなく重症不整脈、急性冠症候群、急性虚血性脳卒中の初期治療までを含むものへ発展してきています。
ACLSコースとはAHA(American Heart Association)により開発された二次救命処置を医療従事者に教育するコースです。このコースの中では臨床現場に近い状況を再現した上で、受講者が参加する形式で国際標準の心肺蘇生法の訓練を受けます。さらにこのコースでは心肺停止だけでなく、不整脈、急性冠症候群、急性虚血性脳卒中の初期治療まで幅広い内容が含まれています。
当科各医員はこのACLSコースに積極的に参加し、当院における救急医療体制向上を目指しております。