心不全地域連携パスと再入院予防の取り組み

心不全地域連携パスと再入院予防の取り組み

心不全の再入院を防ぐために、病院と地域で一緒に支えます

心不全は、入院治療によって症状が改善して退院された後も、体重増加、むくみ、息切れ、血圧の変化、薬の飲み忘れ、塩分のとりすぎなどをきっかけに、再び悪くなることがあります。

当院では、心不全で入院された患者さんが、退院後も住み慣れた地域で安心して療養を続けられるよう、地域のかかりつけ医の先生方、訪問看護、薬局、ケアマネジャー、介護サービス事業所などと連携した取り組みを進めています。

この取り組みを、当院では「心不全地域連携パス」として整備・運用していきます。

心不全地域連携パスとは

心不全地域連携パスとは、心不全で入院された患者さんについて、退院後の診療や生活管理を、当院と地域の医療・介護関係者が連携して支えるための仕組みです。

当院で急性期治療や専門的な検査・評価を行い、病状が安定した後は、地域のかかりつけ医の先生方に日常診療を継続していただきます。

一方で、病状が悪化した場合や、専門的な判断が必要になった場合には、当院で再評価や治療方針の確認を行います。

患者さんを病院だけで診るのではなく、地域全体で支えることを目的としています。

入院中に心不全地域連携ケアプランを作成します

当院では、心不全で入院された患者さんについて、入院中に「心不全地域連携ケアプラン」を作成し、地域で情報共有を行います。

心不全地域連携ケアプランは、患者さんごとの再入院予防計画です。

心不全の状態だけでなく、患者さんの生活背景、悪化しやすい要因、退院後に気をつけること、地域で確認していただきたい項目、当院へ相談・再紹介を検討する目安などを整理します。

退院時には、患者さん・ご家族へ説明してお渡しするとともに、地域のかかりつけ医の先生方にも同じ内容を共有する予定です。

患者さんごとの生活に合わせたケアプランを目指します

心不全の再入院予防では、「塩分を控えましょう」「体重を測りましょう」といった一般的な説明だけでは不十分なことがあります。

たとえば、同じ塩分の問題でも、ある患者さんでは味噌汁が多いことが原因かもしれません。別の患者さんでは、漬物、麺類の汁、外食、惣菜、加工食品などが原因になっているかもしれません。

当院では、患者さんごとの生活に合わせて、できるだけ具体的な注意点を共有できるケアプランを目指します。

例:
・味噌汁を控える
・漬物を控える
・麺類の汁を残す
・外食や惣菜の回数を見直す
・体重を毎日測る
・利尿薬を自己判断で中止しない
・息切れやむくみが悪化したら早めに相談する

このように、患者さん本人、ご家族、地域の医療・介護関係者が同じ目標を共有することで、退院後の再入院予防につなげます。

神戸心不全ネットワーク心不全手帳の活用

患者さんの日々の自己管理には、すでに地域で運用されている「神戸心不全ネットワーク心不全手帳」の活用を想定しています。

心不全手帳を用いて、体重、血圧、脈拍、症状、服薬状況などを記録することで、心不全の悪化に早く気づきやすくなります。

当院独自に患者さん用の手帳を新たに作るのではなく、既存の地域資源を活用しながら、当院の心不全地域連携ケアプランと組み合わせて運用しています。

患者さん・ご家族の方へ

心不全は、退院したら終わりではなく、退院後の生活管理がとても大切な病気です。

心不全手帳の基準(3点以上)だけでなく、次のような変化がある場合は、早めにかかりつけ医の先生や当院へご相談ください。

・数日で体重が増えた
・足のむくみが強くなった
・いつもより息切れがする
・横になると息苦しい
・夜に息苦しくて目が覚める
・食欲が落ちた
・尿が少なくなった
・薬が飲めていない
・急に元気がなくなった

「少し様子を見よう」と思っているうちに悪くなることがあります。

いつもと違う変化があれば、早めに相談することが再入院予防につながります。

地域のかかりつけ医の先生方へ

当院では、心不全で入院された患者さんについて、退院後の地域管理に必要な情報を整理してお伝えする体制を整えていきます。

退院時には、診療情報提供書(Ⅰ)に加えて、患者さんごとの心不全地域連携ケアプランを共有しています。

地域の先生方には、日常診療の中で、体重、むくみ、息切れ、血圧、脈拍、服薬状況、腎機能、電解質、BNPまたはNT-proBNPなどをご確認いただき、病状変化時には当院へご相談いただければと考えています。

再評価や専門的判断が必要な場合には、地域医療連携室を通じてご相談ください。

訪問看護・薬局・ケアマネジャー・介護関係者の方へ

心不全の患者さんは、医療だけでなく生活全体の支援が重要です。

訪問看護、薬局、ケアマネジャー、介護サービス事業所など、患者さんの生活を支える方々と情報を共有することで、悪化のサインを早期に見つけやすくなります。

当院では、心不全地域連携ケアプランを通じて、患者さんごとの注意点や支援のポイントを分かりやすく共有できる仕組みを整えていきます。

地域向け心不全連携勉強会について

当院では、地域の医療・介護関係者の皆さまと心不全患者さんの再入院予防に取り組むため、年1回開催している地域連携の会にあわせて、心不全地域連携に関する勉強会を開催していく予定です。

対象は、地域の医師、訪問看護師、薬剤師、ケアマネジャー、介護サービス事業所職員など、心不全患者さんの療養支援に関わる方々を想定しています。

勉強会では、心不全悪化のサイン、退院後の観察ポイント、心不全地域連携ケアプランの使い方、神戸心不全ネットワーク心不全手帳の活用方法、当院への相談・再紹介の目安などを共有していく予定です。

当日参加できなかった方にもご覧いただけるよう、講演資料や動画を本ページに順次掲載していきます。

開催予定の勉強会

開催時期テーマ対象形式申込方法
令和8年9月3日(木)心不全地域連携パスと
再入院予防について
地域の医療・介護関係者会場開催・Web配信を検討HPフォーム・メール
・地域医療連携室

詳細が決まり次第、本ページでご案内します。

勉強会動画・資料アーカイブ

地域向け勉強会で使用した資料や動画を、順次掲載していく予定です。

医療・介護関係者の方だけでなく、患者さんやご家族にも参考にしていただける内容を整備していきます。

現在準備中です。
・心不全退院時診療情報提供書(Ⅰ)の記載例
・地域医療機関向け説明資料
・医療・介護関係者向け勉強会資料
・患者さん・ご家族向け説明資料

今後、以下の資料を掲載する予定です。

準備が整い次第、本ページでご案内します。

診療報酬上の参考

本取り組みは、心不全再入院予防継続管理料などの診療報酬上の評価とも関連します。

ただし、本ページは、地域で心不全患者さんを支えるための連携体制をご案内するものであり、個別の算定可否を示すものではありません。

実際の算定可否は、各医療機関の施設基準、届出状況、患者さんの状態、診療録記載、最新の通知・疑義解釈等をご確認ください。

お問い合わせ

心不全患者さんの退院後連携、再紹介、共同管理、受診調整については、当院地域医療連携室までお問い合わせください。については、当院地域医療連携室までお問い合わせください。