血管

外科

血管

閉塞性動脈硬化症(へいそくせいどうみゃくこうかしょう)

動脈硬化によって足の血管が細くなったり、詰まったりすることにより起こります。程度によって、足が冷たい、歩くとふくらはぎが痛くなり休憩しないと歩けなくなる(間歇性跛行とよびます)、あし足の指先が紫色になり痛んだり、潰瘍になったりするという症状がみられます。外来で足の血流を器械で調べたり、足首と腕の血圧を同時測定することで簡単に検査できます。必要ならマルチスライスCT、MRI、血流エコーまたは血管造影検査を行い精密検査を行います。

治療は症状や病気に程度に合わせて、運動療法、薬による治療、カテーテルによる治療(血管拡張術)、バイパス手術を行います。

運動療法は当院では医師または専門のリハビリ療法士の立ち会いのもと間歇性跛行の出る距離を考慮した運動リハビリを行っています。

血管拡張術は局所麻酔で行い2-3日で退院できます。バイパスは長距離の血管閉塞の場合に行いますが、自分の静脈を使う自家静脈バイパスと人工血管を使ったバイパス法があります。

2007年に国際的な治療ガイドライン(TASC II)が改訂のうえ発表され、当院でもこれに基づき患者さんの全身状態も考え最良の方法を選択して治療を進めていきます。

下肢静脈瘤 (かしじょうみゃくりゅう)

下肢静脈瘤は足の後ろや内側表面の静脈がこぶの様に腫れる疾患です。原因は出産、長時間の立ち仕事あるいは遺伝的理由などによって静脈の弁不全が生じてしまい、静脈血が逆流することによります。症状は酸素飽和度の低い静脈血が皮膚や筋肉組織に貯留することにより生じるだるさ、熱感、かゆみ、皮膚炎、皮膚の色素沈着でまれには潰瘍といって皮膚がただれてくる場合もあります。女性は腫れた瘤が目立つことを気にされるケースもあります。

当科ではまずドップラー血流計という血流を音で感知する検査器を用いて診察を行い静脈瘤の原因である弁不全が何処にあるかを調べた上で、必要によっては血流エコー検査で深部の静脈の状態も診ます。治療は程度によって弾性ストッキングを着用する、硬化剤という薬を瘤になっている部位に注入する(静脈瘤硬化療法)、逆流血管を数カ所糸でしばり流れを止める(高位結紮手術)、瘤になっている静脈全体を除去する(静脈抜去手術)という方法で行っています。

結紮術、抜去術どちらも2-3cmの小さな皮膚の切開創で行います(創の数は程度により変わってきます)どの治療も外来治療かあるいは1-2の短期入院で行えます。特に深刻な病気ではありませんが、皮膚に異常が見られる方や日常的に不快な症状に悩まれている方は一度是非ご相談ください。

深部静脈血栓症 (しんぶじょうみゃくけっせんしょう)

足の深部を走行する静脈が血栓によって詰まり突然足が腫れる疾患です。血栓のできる原因は足の血流の停滞です。長い間寝たきりの状態や一時的に動けない状態(手術後など)下腿の筋肉のポンプ作用が弱まるため静脈血が滞り血流速度が遅くなることにより血液が固まり易くなり血栓となることがあります。

診断のため、まずは血流エコーと血液検査で血栓の有無を検査します。急性期であれば、血液の固まりを溶かす薬で治療します。CT検査にて血栓の広がりかたや大きさを調べて、必要なら足と心臓との間にフィルターを置き足の血栓が肺の血管に移動して肺梗塞症を起きるのを予防します。慢性期の場合、薬を飲んで症状の安定化を図ります。また血栓後遺症と呼ばれる諸症状の緩和のために弾性ストッキングの着用も有用です。

慢性腎不全(まんせいじんふぜん)のシャント

腎不全や腎炎で腎臓の働きが弱ったときには、人工透析をしますが、その際に必要なシャントという動脈と静脈をつないで静脈を太くする手術を行っています。主に前腕部の表面の血管を用いてシャントを作りますが、この部位の血管が細くて使えないときには腕の静脈をつかったり、人工の血管を使ったりすることがあります。

またシャント血管は繰り返し刺したり押さえて血を止めたりしますので、細くなったり詰まったりして使えなくなることがあります。その際は、まずは血管のなかから専用のバルーンを使って細くなった部位、詰まった部位を再び広げる(血管拡張術)を行います。当科では、シャントの作製から補修まで行い、腎臓の悪い方に取って大切な人工透析に支障のないように尽力いたします。

この他表在性血栓静脈炎、バージャー病(閉塞性血栓血管炎)、動脈瘤などの病気を担当しています。