ヘルニア

外科

ヘルニア

鼠径ヘルニア(そけいへるにあ)

足の付け根付近が立ったりお腹に力を入れるとふくらみ、体を横にしたり手で押さえると引っ込む状態を鼠径ヘルニアといいます。

出ている内容は小腸であることが多いので俗に脱腸とも呼ばれますが、腸ではなくお腹の脂肪である場合もあります。男性に多い病気ですが女性にもみられます。ヘルニアの原因は子供の場合は生まれつきの場合が多く、大人はお腹の筋肉や靭帯が弱くなりすき間ができ易くなることことによります。ヘルニアは一旦なると自然には治癒しないため、手術して治療することが必要となります。内容がとび出したままで戻らないのを嵌頓(かんとん)と呼び緊急手術が必要です。

鼠径ヘルニアには内、外鼠径ヘルニアと大腿ヘルニアの3種類がありそれぞれ体のどこが弱くなってとび出しているかによって分けられます。

手術方法は、以前は糸で弱い部分を縫い合わせていましたが、再発することが多く最近ではメッシュ、プラグ、パッチなどと呼ばれる人工の補強材を使用する方法が一般的になっています。当院でも4種類の形状の人工補強材を用意し、ヘルニアのタイプや大きさによって、もっとも再発しにくいように選択し治療をしています。

麻酔は全身麻酔、半身麻酔、局所麻酔を患者さんの希望と体の状態に合わせて選択します。手術後はできるだけ早く退院し、社会生活に戻れるようご指導いたします。足の付け根に隆起を認め不快な症状がある場合は、是非ご相談ください。

腹壁瘢痕ヘルニア(ふくへきはんこんへるにあ)

腹壁瘢痕ヘルニアとは腹部の手術の傷跡(瘢痕)が立ったときに膨らむ病気です。

腹部の手術をするときには皮膚、皮下組織、筋膜、腹膜を切り、終わればそれらを縫い合わせます。手術後に、傷の化膿が生じたり、もともと筋膜が弱かったりすると筋膜の癒合が悪くなり、その隙間から腹腔内の脂肪や腸の一部が出たり戻ったりする状態のことを腹壁瘢痕ヘルニアといいます。無症状のこともありますが、鈍痛や消化不良の原因となったりすることもあり、自然には治らないので時期をみて手術をした方がよいとされています。

治療は隙間が小さければ糸で縫い直すだけの縫合閉鎖法を行いますが、大きいヘルニアに対してはメッシュと呼ばれる人工材料を用いた方法があります。

平成14年10月より現在まで当科ではComposix Kugel Patchと呼ばれる新しいタイプの人工素材を使用した方法で良い治療成績を得ています。これは2層構造を持つパッチで、筋膜の隙間を内側からパッチでふたをするような形の仕上がりとなり門を縫合閉鎖する方法と比較して無理な緊張のかからない方法と言えます。

全身麻酔で約1時間の手術で、入院は数日から1週間です。

腹壁瘢痕ヘルニアは患者さんにとって再度手術という大きなストレスとなりますので、この治療法は大型のヘルニアや感染治癒後のヘルニアの治療に対して、有力な手段となると考えています。

また、症状が全くない場合や全身状態により手術しない場合は、腹壁瘢痕ヘルニア専用の矯正下着を着用して、創部のふくらみを押さえることができます。当科ではこの瘢痕ヘルニア補正下着の着用の指導も積極的に行っています。術後の創がふくらんで気持ち悪いかたは一度ご相談ください。

→ヘルニア(脱腸)外来はこちら