院長あいさつ

院長あいさつ

 この度、令和2年4月1日付けで島津前病院長の後を受けて神戸掖済会病院の病院長に就任いたしました。

 当院は1914年神戸市川崎町に開院以来地域の皆様に、安全で良質な医療の提供をめざして、スタッフの充実、施設機能や診療体制の充実を図って参りました。2001年に垂水区に移転後職員一同地域貢献に努力してきましたが、小児科、産婦人科の閉鎖など皆様にご心配やご迷惑をおかけした経緯もありましたが、2013年ICUの開設、2015年に地域医療支援病院に指定され、その活動も徐々に評価されつつあるのではないかと思っております。これまで諸先輩が築いてきた歴史ある病院長を拝命し身に余る光栄と共に、引き締まる思いです。

 今回就任にあたり当院が特に取り組むべき重点項目として、次の3点を掲げました。

  1) 地域医療構想に則って地域から求められる医療の推進
  2) 救急医療、循環器疾病などの政策医療の継続
  3) 医療機関としての安定性と継続性

 一つ目の項目として比較的都市部とされている神戸市でも高齢者の増加や人口減少には歯止めがかからず、社会構造の変化により地域で求められる医療にも大きく影響を与えております。より高度で先進的な医療を求めるケースから、全人的な立場から緩和的な医療を希望されるケースまで、地域のニーズは多様化し、これまでの専門性を追求してきた医療教育システムの中で、医師の専門性や地域の偏在化など地域住民が必要とする医療を十分に提供しきれない状況となっています。今後、専門医の確保は勿論、総合診療や総合内科、救急科等守備範囲の比較的広い診療科にも重点を置いていきたいと考えています。

 二つ目の救急医療、循環器疾病については、2019年12月に施行された脳卒中・循環器病対策基本法に基づき、健康寿命の延伸と、医療介護費用の削減には、対象疾病予防の推進はもとより、救急治療とリハビリで生活の質を改善する必要があり、地域の寝たきりや認知症患者を出来る限り減少させる事に邁進したいと考えています。急性期病院として、後遺症の少ない先進の医療から早期リハビリ、またその効果を地域へ繋げて、地域でも再発予防やリハビリ継続を進めることにより、QOLを維持していただく事に重点を置いた医療を進めてまいります。

 三つ目の組織としての安定性と持続性についてですが、目まぐるしく変化する医療政策の中で安定した医療を地域の住民に提供することが重要と考えます。私たちが大切にしたい〝掖済〟(良き方向へ導き助ける)の精神を持った医療の提供を安定的かつ永続的に行なっていくためには今後増える高齢医師や女性医師の活躍の場を確保すると共に、若手医師にもワークライフバランスを考えながら新専門医制度や働き方改革などを進めなければならず、対応すべき問題が山積しています。さらに、これらが医療経済的にも成立する為には、医療を効率的に提供できる体制作りが必要です。しかしこれらの問題は単一病院の努力だけでの解決は困難であり、地域の医師会や行政とも十分な連携を取って地域のニーズに応えられる組織づくりを永続性のある安定的な医療組織を確立しくためには必須と考えています。

 2020年4月より我々の属する日本海員掖済会は一般社団法人から公益社団法人として認可を受け、より一層公益性を重視し、多様化する地域の医療ニーズに対応し、地域の皆様に愛される組織として病院職員が一丸となり努力して参りたいと思っておりますので、どうぞよろしくお願い致します。

令和2年4月1日院長 藤 久和